溶融金属の凝固
液体の溶接池から、固く方向性のあるビードになるまで
AI generated 溶接池は一瞬で凝固する液体金属だ。そのときビードのフランクから中央へ結晶が成長し、が生じ、まさにここで凝固割れや高温割れが起きる。凝固を理解すれば、なぜビード中央が弱点なのか、そしてどう避けるかが分かる。
では、が母材とを溶かして液体の溶接池を作る。そこで何が起きるかがビードの品質を決める。溶融金属はほんの一瞬で凝固するが、それは適当にではなく、しっかりした冶金のルールに従って凝固する。
凝固はいつも一番冷たいところから始まる。それがビードのフランク、つまりまだ固いとの接触部だ。ここ、融合線で最初の核ができる。熱は外へ逃げるので、結晶は両側のフランクから融合線に直角にビード中央へ向かって成長する。長い柱状の結晶、つまりができる。ビード中央で二つの成長面が出会う。
まさにこの場所がアキレス腱だ。出会うとき、成長する結晶は最後の不純物や低融点成分を押し出し、それらが中央にとして集まる。この中央偏析はやの典型的なゾーンだ。なぜなら硫黄やリンなどの有害元素が濃縮され、収縮時にビードに引張応力がかかるからだ。
二つ目の問題は、つまり凝固の始まりと終わりの間の温度域だ。純金属や共晶は一定温度で凝固し、合金は範囲で凝固する。この範囲が広いほど、割れが生じうる糊状の遷移状態ができやすい。だから一部の鋼(硫黄・リン含有量が高い)は特に割れやすい。
に対しては二つのレバーがある。第一に組成。を少し含む溶加材(ステンレス鋼の場合)や清浄で硫黄の少ない溶加材ならは無害に抑えられる。第二に形状。深すぎて狭い溶接池(深い溶込み比)は結晶を直接向かい合わせに成長させ、不純物をすべて中央に押し込む。もっと広い池やウィービングは凝固面を分散させ、中央を和らげる。
その後のでのも凝固にかかっている。溶接池はそれだけの熱を放出し、隣のを粗粒化させる。粗い結晶粒は軟らかく割れやすい。だからこそ入熱をコントロールし続けることが大切だ。