腐食と材料保護

不動態化とPREN

なぜステンレスは錆びないのか — そして耐孔食性の計算方法

不動態化とPREN AI generated

ステンレスが錆びないのは、表面に酸化クロムのごく薄い自己修復性のができるからだ。この皮膜が孔食に対してどれだけ保護するかはPRENの式で評価できる。、、窒素が違いを生む。これがステンレス選定の裏にある式だ。

ステンレス鋼のすべての秘密は目に見えない層にある。それがだ。鋼に少なくとも約10.5%のが含まれると、表面に数ナノメートルしかない酸化クロムの薄い層が自然にできる。この層は緻密で密着性が高く、そして何より重要なのが自己修復性だ。傷がついても、空気中ですぐに新しい酸化クロムが生成される。

この現象をと呼ぶ。これがなければステンレスはただの高価な構造用鋼だ。があるからこそ、普通鋼が錆びるところでもステンレスは輝きを保つ。

しかしは無敵ではない。最大の敵は塩化物(海水、融雪塩、プールの水)だ。塩化物は皮膜を点的に破壊し、そこからが発生する。ステンレスがどれだけ耐えられるかは、簡単な式で評価できる。それが(耐孔食性指数、有効和とも呼ばれる)だ。

PREN = %Cr + 3.3·%Mo + 16·%N

この式が意味するのは、だけではなく、特に(係数3.3)と(係数16)が効くということだ。いくつか例を挙げる。

• (304): PREN ≈ 18 + 3.3·0 + 16·0.05 ≈ 19 — 通常の大気環境なら問題ないが、塩化物には不向き。

• (316): PREN ≈ 17 + 3.3·2.2 + 16·0.05 ≈ 25 — 塩化物に対して明らかに強い。

• (Duplex 2205): PREN ≈ 22.5 + 3.3·3.1 + 16·0.17 ≈ 35 — 非常に耐性が高く、海水向け。

• Superduplex: PREN > 40 — 最も過酷な塩化物環境向け。

経験則:PREN 24未満=塩化物はごく少量、24〜32=海岸/弱塩化物、32以上=海水や腐食性の強い媒体。

溶接工であるお前にとって、PRENの式は二重に役立つ。

1. 材料選定: データシートに頼らず、そのステンレスが環境に耐えられるか自分で判断できる。

2. 溶加材選定: 溶加材はと少なくとも同じPRENでなければならない。316(PREN 25)を308L溶加材(PREN ~19)で溶接すると、ビードが弱点になり最初に錆びる。だからMo入りのにはMo入りの溶加材を使え。

そして後は、ビード横の焼け色は弱っただ。これを除去(酸洗い、研磨)して再不動態化しなければならない。さもないとまさにそこが錆びる。